569.UFOとの遭遇(01/16 18:02)


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<画像:わたし>

 ふと夕暮れ時の空を見ると西の魔女が両手を広げて、空中に怪しげな吐息を出していました。<画像:><画像:>

「西の魔女さん、あなたは何をしているの」
「小娘なんかになぜ説明しなくちゃならないのさ。風に飛ばされないうちにさっさとお行き」
「あら、わたしも魔女なのよ。魔女のキキちゃん」
「初めて聞く名前だね。どこの魔女なんだい」
「えーと、わたしまだ修行中なんです。普通の日は少女に戻り、お休みの日だけ魔女をやっています」
「ほんとうの名前でわたしを呼んでおくれ。魔女ならわかるはずだ。一回だけたよ」
 わたしは困ってしまいました。西の魔女の本当の名前なんかわかりません。でもどこかでお会いしたような気がします。
 この方角には一切経山があります。そこには「魔女の瞳」と呼ばれる五色沼があります。
「あなたは五色沼の魔女なんですね。名前はわからないけど」
「いいんだよ。わたしは名無しさ。ほんとうの名前は軽々しく人に言ってはいけない。わたしはあるものを呼んでいるんだ」

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 しばらくすると空高くから光る物体が接近してきました。
「きゃあ、UFOかしら。わたし怖いわ」
「そのとおり、お嬢さん。わたしたち魔法を使うものは宇宙からやって来たのさ。でも魔女の中には地球人と結婚するものもいて、だんだんそのことを忘れていったのだよ。魔法は地球では確かに不思議なことかもしれないが、宇宙では科学的に証明されているものなんだ。一人ほうき型の重力調整機に乗った者が飛び回ったせいで、魔女はほうきに乗るものだと思われてしまった」
「ほうきは重力調整機なのね。わたしも行っていいかしら」
「おいで、大歓迎だよ。あなたの祖先とも会えるよ」
 わたしは近くにあったほうきに乗って西の魔女のところに飛んで行きました。

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管理人:kiki

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