|
「恥じらい」
この日まで小さなつぼみでいたわたし
外の世界を知らないまま育ってきたの
このままずっとつぼみのままでいたい
ここは何も知らないわたしだけの安全な場所
お日さまがわたしにそっとささやきました
さあ、これからあなた輝くのよ
勇気を出して外に出てごらんなさい
いえいえ、わたしこのままでいたいの
外の世界はどんなに素敵なところでしょう
でもわたしとっても恐いわ
何日か過ぎわたしの中の
わたしであってわたしではない力が
自然にはたらきはじめました
わたし純白の花びらに囲まれて少しずつ
外の世界に出て行きました
まあ、何てすばらしいのでしょう
輝く世界の中で綺麗になっていくわたし
でも、ちょっびり恥ずかしい
わたし花びらでそっと顔を隠しました
あなたがわたしを見つけてくださるまで
わたしいつまでも待っています
あなたがわたしをそっと摘んでくださるまで
わたしあなたのことを待っています |
