« 虹を探して |
メイン
| 水原のクマガイソウ »
2010年05月23日
わたしの若草物語
『若草物語』は何回も映画化されていますが、1933年製作 ジョージ・キューカー監督 キャサリン・ヘップバーン主演(ジョー役)をベストにあげたいです。
モノクロなんですが、さすがキャサリン・ヘップバーンは違います。
この映画のDVDを見た夜のことでした。
わたしの見た夢 4
『わたしの若草物語』
ふと通りかかった映画館で『若草物語』の映画が上映されていました。わたし小さい時から『若草物語』が大好きなんです。でも自分の中にある原作の雰囲気が壊れることを恐れてこれまで小説を映画にしたものはあまり見なかったのですが、せっかくですので見ることにしました。
映画館の中はかなり混んでいましたが、幸いにもちょうど真中ぐらいの席に座ることができました。上映を知らせるブザーが鳴り館内は次第に暗くなっていきました。
幕が静かに開きいよいよ上映です。
物語が進みスクリーンの中に馬車に乗った姉妹が現れました。わたしはお気に入りのジョーを探しました。ジョーはすぐに見つかりましたが何かがおかしいことに気づきました。四人の姉妹がいるはずなんですが三人しかいないんです。最初のシーンでは四人いたはずなんですが。メグとベスもいました。いないのは末っ子のエイミー、そうですエイミーの姿が見えないのです。
「どこにいるのかしら」わたしはスクリーン中を探しましたがどこにもいませんでした。音楽がしだいにゆっくりになり、それとともに登場人物の動きもまるでスローモーションでも見ているようにゆっくりになりました。
スクリーンの中のメグの目がわたしの目に合いました。何か驚いているようでした。メグがジョーとベスに何かささやきました。三人がゆっくりとわたしの方を見ます。視線が合いました。
「エイミー、何しているの、遅れるわよ、早くいらっしゃい」
まるで映画の登場人物がわたしに話しかけているようです。
「エイミー、まったくしょうがないんだから、早く早く」
まわりの観客の目がわたしに注がれました。呼ばれているのはわたしのようです。でもなぜわたしが呼ばれるのでしょう。突然、わたしの中に何かなつかしさが込み上げてきました。
「みんな、待って。すぐ行くわ」わたしはスクリーンに向かって走り出しました。スクリーンの中のメグがわたしに手を伸ばしてくれました。わたしはスクリーンの中に入り馬車の上に飛び乗りました。「まったくおてんばなんだからエイミーは」とジョーの声がしました。
「ごめんね、遅くなって」わたしはみんなに謝りました。
馬車が家の前で止まりました。突然あたりが暗くなりました。気がついてみるとわたしがいるのは映画館ではなく小さな舞台の上でした。舞台の上にはわたし一人しかいませんでした。観客がわたしをじっと見つめています。観客の中にわたしの三人の姉、メグ、ジョー、ベスもいました。「メグ、ジョー、ベスどうなっているの」わたしは叫びましたが三人ともわたしの方をじっと見ているばかりで何も答えてくれません。
観客の視線が次第に厳しくなっていきました。わたしは舞台にいる以上演じなければいけないのに気がつきました。演じることができなければ舞台を去らなければならないのです。
「わたし、何を演じればいいの」わたしは小さな声で尋ねました。観客からは何の反応もありません。ざわめきが大きくなりました。「ああそうなんだわ、わたしはエイミーを演じればいいのね」
そのとき以来わたしエイミーを演じ続けています。舞台から観客がいなくなってもわたしエイミーのままです。もう以前のわたしには戻れないかもしれません。でもわたし悲しくなんかありません。三人のおねえさんたちが時々わたしのお部屋に遊びに来てくれるんですもの。わたしたちとてもなかよしなんです。
(説明)
わたしが平日お仕事の時演じている少女は実務をきちんとこなしていく『エイミー』なのかもしれません。お家に帰るとkiki(キキ)に戻ります。
≪ 続きを隠す
投稿者 kiki : 2010年05月23日 11:03
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://kiki.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/547
kikiさん こんにちわ
若草物語は、懐かしいです。
僕にも思い出があるんです。
どうか、お聞きください。
というのは、
僕、小学校1年生の時、お腹に“おでき”ができて、手術するために入院したことあるんです。その時、母親が、僕に、病室で読むための漫画本を買ってきてくれたのですが、それが「若草物語」の漫画本だったのです。
手術までの毎日、検査以外は退屈な日々だったので、ストーリー暗記するくらい読み続けました。
無事に手術をクリアして、再発もせずに、今もこうやって生きているのですが、「若草物語」のメグ、ジョー、ベス、そしてエイミーに助けられた僕の命なのかなーと思っています。
手術台に乗せられて、麻酔かかった後は、何の記憶もなく、夢も見ませんでしたが、不思議に怖くはありませんでした。
kikiちゃんの夢は、メグ、ジョー、ベス、が、素敵なお姉さんになってくれたのですね。
モノクロ映画って、総天然色映画より、ストーリーが大切にされていると思います。僕も好きなんですよ。黒澤明監督の古いモノクロ映画などは、まさにシネマ芸術そのものですね。
それにしても、夢を覚えられて文章にできるなんて、kikiちゃんはとっても文才がありますねー。素敵です!!!
夢って、内在的な心理をあらわすと言う向きもありますが、それはそれで、kikiちゃんのお話しは本当にドリームストーリーなんですものね。素敵だなー!!!!!
「若草物語」のお話しで、身体が弱かった子供の頃のこと、思い出してしまいました。
投稿者 やまがっこう : 2010年05月24日 11:24
>やまがっこうさん、ありがとうございます。
やまがっこうさんも「若草物語」と出会いがあったなんてとてもうれしいです♪
女の子が読むものかと思っていましたが、そうでもないんですね。
性別を超えて愛されているわけです。
手術成功してよかったです。
皆さんが応援してくれたのかもしれません~。
やまがっこうさんは「ローリー」だったのかもしれませんよ。
わたしが同じ年代だったら素敵なダンスをいっしょに踊れたかもです。
モノクロ映画は深みがあっていいです。
「羅生門」デジタルリマスターされたDVDを見たことがありますが、良かったです。
もうジェンダーフリーです。
夢はその人の心理状態をそのまま表すので、わたしのことがわかってしまってとても恥ずかしいです。
でもわたしこんな女の子なんで知っていただいてもいいです。
わたしも弱かったです。今も弱いんですよ(泣)
投稿者 kiki : 2010年05月24日 18:55
コメントしてください
#