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2010年05月
2010年05月30日
まあだだよ(堤ヶ平、ヒメサユリ)
女の子の小さな声が聞こえてきました。
「もういいかい」
どこからも返事はありませんでした。
「おねえさん、答えて」
いつの間に来たのでしょうか。小さな女の子がわたしのスカートをつかんでいました。
「どうしてわたしが答えなくてはいけないの」
「おねえさん、お姫さまのおともだちでしょ」
あら、わたしそうだったんだわ。
わたしはその子に答えました。
「まあだだよ。もう二週間くらい待ってね」
「きっとだよ、かならずだよ」
「わかったわ。ちゃんと伝えるから安心してね。マーガレットちゃん」
含み笑い
(何がおかしいの。きっと箸が転がってもおかしい年頃なのね。わたしにもそういう時があったわ)
下向き加減
(何か気になるの。ちょっと恥ずかしいのかしら。わたしと同じだわ)
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投稿者 kiki : 07:33
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2010年05月29日
新緑のビッキ沼
新緑のビッキ沼に行って来ました。
水芭蕉さんも元気でしたが、葉は巨大化し可愛らしかった頃の面影はありませんでした。
わたしもそうなるのでしょうか。「そんなのいやだわ」と思いながら青春を楽しむわたしでした。
それはあまり考えなくても「老賢人」が解決してくれそうです。
緑の園
開かれた処女地
最後の行進
老賢人
衣替え
(あたしもまもなく衣替えよ)
伸び盛り
(青春を楽しむの)
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投稿者 kiki : 15:04
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2010年05月23日
水原のクマガイソウ
水原のクマガイソウ群生地は例年より遅くちょうど見頃でした。
まるで人の顔みたいなクマガイソウがほぼ等間隔で咲いていました。
クマガイソウさんの世界でも均一化、標準化が進んでいるのでしょうか。
でもよく見ると持つ物と持たざる物の格差があるように感じられます。
クマガイソウを撮影する場所は狭くカメラマンでいっぱいでした。
今でも人見知りをするわたしは人がたくさんいる場所での撮影は苦手です。
「やはりわたし大人になっていないんだわ」
とクリンソウさんとなぐさめ合いました。
陽の当たる人、影の人
(わたしは多分陽があたらない方よ)
少女A
(わたしと同じね)
小さな曼荼羅
(最初は小さく少なくてもみんなが集まればやがて立派な曼荼羅になるわ)
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投稿者 kiki : 11:29
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わたしの若草物語
『若草物語』は何回も映画化されていますが、1933年製作 ジョージ・キューカー監督 キャサリン・ヘップバーン主演(ジョー役)をベストにあげたいです。
モノクロなんですが、さすがキャサリン・ヘップバーンは違います。
この映画のDVDを見た夜のことでした。
わたしの見た夢 4
『わたしの若草物語』
ふと通りかかった映画館で『若草物語』の映画が上映されていました。わたし小さい時から『若草物語』が大好きなんです。でも自分の中にある原作の雰囲気が壊れることを恐れてこれまで小説を映画にしたものはあまり見なかったのですが、せっかくですので見ることにしました。
映画館の中はかなり混んでいましたが、幸いにもちょうど真中ぐらいの席に座ることができました。上映を知らせるブザーが鳴り館内は次第に暗くなっていきました。
幕が静かに開きいよいよ上映です。
物語が進みスクリーンの中に馬車に乗った姉妹が現れました。わたしはお気に入りのジョーを探しました。ジョーはすぐに見つかりましたが何かがおかしいことに気づきました。四人の姉妹がいるはずなんですが三人しかいないんです。最初のシーンでは四人いたはずなんですが。メグとベスもいました。いないのは末っ子のエイミー、そうですエイミーの姿が見えないのです。
「どこにいるのかしら」わたしはスクリーン中を探しましたがどこにもいませんでした。音楽がしだいにゆっくりになり、それとともに登場人物の動きもまるでスローモーションでも見ているようにゆっくりになりました。
スクリーンの中のメグの目がわたしの目に合いました。何か驚いているようでした。メグがジョーとベスに何かささやきました。三人がゆっくりとわたしの方を見ます。視線が合いました。
「エイミー、何しているの、遅れるわよ、早くいらっしゃい」
まるで映画の登場人物がわたしに話しかけているようです。
「エイミー、まったくしょうがないんだから、早く早く」
まわりの観客の目がわたしに注がれました。呼ばれているのはわたしのようです。でもなぜわたしが呼ばれるのでしょう。突然、わたしの中に何かなつかしさが込み上げてきました。
「みんな、待って。すぐ行くわ」わたしはスクリーンに向かって走り出しました。スクリーンの中のメグがわたしに手を伸ばしてくれました。わたしはスクリーンの中に入り馬車の上に飛び乗りました。「まったくおてんばなんだからエイミーは」とジョーの声がしました。
「ごめんね、遅くなって」わたしはみんなに謝りました。
馬車が家の前で止まりました。突然あたりが暗くなりました。気がついてみるとわたしがいるのは映画館ではなく小さな舞台の上でした。舞台の上にはわたし一人しかいませんでした。観客がわたしをじっと見つめています。観客の中にわたしの三人の姉、メグ、ジョー、ベスもいました。「メグ、ジョー、ベスどうなっているの」わたしは叫びましたが三人ともわたしの方をじっと見ているばかりで何も答えてくれません。
観客の視線が次第に厳しくなっていきました。わたしは舞台にいる以上演じなければいけないのに気がつきました。演じることができなければ舞台を去らなければならないのです。
「わたし、何を演じればいいの」わたしは小さな声で尋ねました。観客からは何の反応もありません。ざわめきが大きくなりました。「ああそうなんだわ、わたしはエイミーを演じればいいのね」
そのとき以来わたしエイミーを演じ続けています。舞台から観客がいなくなってもわたしエイミーのままです。もう以前のわたしには戻れないかもしれません。でもわたし悲しくなんかありません。三人のおねえさんたちが時々わたしのお部屋に遊びに来てくれるんですもの。わたしたちとてもなかよしなんです。
(説明)
わたしが平日お仕事の時演じている少女は実務をきちんとこなしていく『エイミー』なのかもしれません。お家に帰るとkiki(キキ)に戻ります。
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投稿者 kiki : 11:03
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虹を探して
晴れた日に滝に行くとよくきれいな虹が出ていますね。
虹にはしあわせがありそうな気がして、近づこうとしますが、虹は遠くに行ってしまいます。そんな時に見た夢です。
わたしの見た夢 3
『虹をさがして』
かなり前のことでよく思い出せないのですがわたしはある渓流を一人だけで歩いていました。まわりは霧に覆われここがどこだか、どうしてここに来てしまったのか全然わかりません。大声で助けを呼びましたが鳥の声すらも聞こえませんでした。戻ろうと思ったちょうどその時です。霧の中から滝が見えました。滝には美しい虹がかかっていました。
漆黒に暗く落ち込んでいる滝にかかる虹のあまりの美しさにそっと虹に近寄ろうとしました。普通でしたら虹は逃げて行きますね。でも、そのときは虹は近づけば近づくほど輝きを増してきました。
空が暗くなり稲光が天空を走り大きな雨粒が渓谷に降り注ぎました。あたりは真っ暗です。でも、虹はちゃんと目の前にありました。虹に手をかざすと虹の七色の光が手に飛び込んできます。
「虹さん、どうしてきょうは逃げないの、不思議ね」
「あなたを待っていたのですよ」
どこからともなく不気味な声が聞こえ、それとともに体の自由がきかずまるで金縛りにあったかのようです。
「こちらにおいで、怖がらなくでもいいのだよ」
いやおうもなく虹の中心部に体が引き寄せられていきました。頭上からは滝からの水が情け容赦なく降り注いできます。
虹の中に何人かの人影が見え、手招きをしていました。
「行ってはいけないわ」
そう思いながらも自分の意志とは逆に滝の中心部に引き寄せられて行きます。激しく降り注ぐ滝の水から垣間見る人影はおぼろげでしたが、よく見るとまるで滝に打たれている修験者のようでもありました。
体がさらに虹の中心部へと吸い込まれると今まで降り注いでいた滝の水が突然止まり、かわりに四方八方から輝くばかりの光に包まれました。そして体が重力を失ったかのように浮かび上がり、眼下の人影も小さくなっていきました。
意識が朦朧としてきます。突然体がまるでジェットコースターのように急降下していきます。
「滝壷に落ちたのね。もう助からないのね」
一人つぶやくとまたどこからか声がしました。
「人は生き、そして死ぬ。昔からのさだめよ」
「そんなのいや、まだ生きたいのよ」
「生に執着するものは……」
「なあに」
「生に執着するものには死が訪れ、死に執着するものにも死が訪れる、何にも執着しないものだけが生を得る。しかし、それも仮の生、一時だけの生」
「変なこといわないでわたしを帰して、お願い」
目に涙があふれ出てほほを伝わりこの世の終わりのような漆黒の世界に流れ落ちました。
先ほどの修験者と思われる人たちがおもむろに近づいてきてわたしのほほを触りました。その人たちの顔をよく見るとのっぺらぼうでした。
わたしは思わず叫び声をあげました。
「怖がらなくてもよい。この者たちはこの世のものではない。この者たちの仮面はわたしが預かっている」
わたしは下を見ました。水に映ったわたしの顔がわたしにほほえんでいました。
「あなたの仮面をもらうのはこの次にしよう。安心するがよい」
「なぜ、わたしはこんな目に会わなければいけないの。わたしがいったい何をしたっていうの」
「お嬢さん、あなたは何もしていない。でもそれは何の理由にもならない」
「ひどいわ、そんなことってあって。あなたのかってじゃない」
「あなたのいのちはわたしが握っていることを忘れるな、わたしを怒らすと」
「どうっていうの。あなたはいずれにせよわたしを殺すつもりなのよ」
わたしの顔に激痛が走りました。まるで顔を剥かれているような。いや、そのとおりだったのです。水面に映るわたしの顔が次第に消えていきのっぺらぼうになっていったのです。
わたしという存在はそのとき無くなりました。正確にはわたしという仮の存在が自然と同化されたとも言うべきでしょうか。わたしはわたしではなくなりました。でもそのことに苦痛とか恐怖といったものは伴わなかったのです。まったく不思議な状態でした。わたしはわたしから解放され宇宙のすべての要素の一つになったのです。その意味ではわたしは原存在としてわたしというものの永続性を保っていたのかもしれません。
死んでしまったという実感も感情も何一つありませんでした。自分の死体がこの滝壷に沈んでいることも、何日かして捜索隊がわたしではないわたしを発見したとしても。
気がついたときわたしは病院のペッドにいました。家族の顔が心配そうにわたしをのぞきこんでいました。
「鏡を持ってきて、お願い」
母が不思議そうな顔をして鏡を持ってきました。
わたしは鏡を受け取ると自分の顔を鏡に映しました。
鏡の中にはやつれたわたしの顔が映っていました。鏡に一瞬あのときの風景が映りました。
「本当にあったことなんだわ」
母がわたしの顔を心配そうにのぞきこみました。
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投稿者 kiki : 10:16
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2010年05月22日
わたしとつつじと恋心(女沼にて)
女沼のつつじ山公園のつつじは満開になりました。
わたし今年は三回も来てしまいました。
いったいどうしてなんでしょう。
女沼の女神さまから女性としてのかすかな恋心をいただいたのかもしれません。
無垢な少女としてのわたし
仲裁
(やさしいあなたに感謝)
燃える恋心
あなたへの想い
女に生まれた喜び
わたしの運命
美しくなるわたし
(成女として)
あなたに寄り添う日
希望のひかり
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投稿者 kiki : 15:29
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2010年05月21日
わたしと影
『境界の家』のご感想をいただいて、もう一人のkikiちゃんはわたしの『影』である可能性があることに気づきました。
『影』はそのままにしておくと危険です。『影』はわたしのこころの中に統合しておく必要があります。
まして『影』を『境界の家』から出して別世界へ旅立たせることは、とんでもないことです。
『影』とは今まで生きてこなかったもう一人の自分のことです。その人の意識が抑圧したり、十分に発達していなかったもので、マイナス的な側面が強いです。
影は通常同姓です。わたしは女性なのでわたしの影も女性です。
わたしの見た夢 2
『わたしと影』
ある天気のよい日わたしはお家の近くを散歩していました。健康のため毎日三十分くらい散歩をしているのですが、最近ずっと雨が降っていたため久しぶりです。さわやかな太陽の光がわたしをやさしく包み込み、とってもいい気持ちでした。
しばらく歩いてわたし疲れてちょっと立ち止まったんです。するとうしろから変な声が聞こえてきました。
「お嬢さん、待ってたよ」
「誰、わたしをよんだのは」
振り向きましたが誰もいませんでした。
「まっすぐ見てごらん。ほらあそこに高いビルがあるだろ、あそこに行くんだ」
「いやよ。なんでわたしあなたの言いなりにならなくてはいけないの」わたしは抵抗しましたがまるで魔法でもかけられたかのように体が勝手にビルに向かって歩き出しました。
「よしよし、その調子だ」
もう一度わたしはすばやく振り向きました。目に映るのは自分の黒い影だけでした。誰もいません。
「なかなかいい娘だね、もうちょっとだよ」
また、声がします。しわがれたおばあさんみたいな声でした。
立ち止まろうとしたんですが自動人形のように自分の体が勝手に動いてしまうんです。
声は後ろからします。わたし今度はゆっくりと振り向きました。やはり自分の影だけです。
その時わたしは確かに見ました。影は二つあったのです。一つは間違いなくわたしの影でしたがもう一つは別な人の影です。いえいえ、二つの影は一つになったり二つに分かれたりしています。影がもう一つの影に命令しているようにもみえました。
ビルはもうすぐ目の前です。
「よしよし、お嬢さん、そのビルに入いるんだ」
わたしはその通りにしました。というよりわたしの手はまるで別の人の手のように自分の意志とは関係なくビルのドアを開けていました。
「右を見なさいエレベーターがあるじゃろ。そのエレベーターに乗りなさい」
「いやです」わたしははっきりと言いました。わたしはビルの中では影の力が弱くなっていると思ったからです。自由になったわたしはビルの出口に向かって走りました。
「なにお、小娘が」
目の前で閃光が走りわたしの後ろに黒々とした二つの影が復活するのがわかりました。わたしは力なくエレベーターの中に入りました。わたしのほかには誰もいませんでした。
「十三階のボタンを押しなさい」影がわたしに命じました。
エレベーターには十二階までしかボタンがありませんでした。わたしの手は勝手に動き十二階の少し上の部分をこすりました。すると血のような真っ赤な十三階という文字が現れました。
「押してはいけない」わたしは必死に抵抗しましたが、わたしはわたしに負けました。その時わかったのです。もう一つの影もわたしの影であるということを。わたしはもう一人のわたしに支配されつつその快感に酔っていたのでした。今、考えると恐ろしいことです。わたしとわたしはもはや分けれられず同一となりわたしたちは十三階のボタンを押しました。
もし別の人がわたしの顔を見たとしたらわたしの顔からは悪魔の笑いが漂っていたことでしょう。
エレベーターはゆっくりと登っていきました。わたしは誰かが途中の階でボタンを押してエレベーターを止めてくれることを必死に願いながら、同時に誰もエレベーターを止めないようにと願いました。
わたしの願いは退けられそして許されました。十二階を過ぎると突然エレベーターはガターンと大きな音とともにゆれました。わたしはエレベーターの底にたたきつけられました。エレベーターは斜め上に向かって進んでいるような感じでした。わたしはそのまま気を失ってしまいました。
気がついてみるとエレベーターに十四階のランプが点きドアが開きました。わたしが押したはずの十三階のボタンはエレベーターにはありませんでした。わたしはエレベーターのドアから外に出ました。
そこは広々とした草原が広がっていました。少し歩くと小さな湖がありました。透き通った美しい湖でした。わたしは二つの影が映るかも知れないという恐怖にかられながらも湖にわたしの姿を映してみました。やはりゆらゆらと湖に映るわたしの影は最初は二つに見えたような気もします。かすかに湖に風が吹き波が走りました。わたしの長い髪もたなびきました。わたしは怖くて自分の姿を映すのはやめようかと弱気になりましたが、意を決してゆっくり「湖さん、ね、お願い」と、つぶやきながらわが身を湖に映しました。湖に映るわたしの姿は一つでした。わたしは安心してそのまま眠ってしまいました。気がついたらわたしはお家の玄関に立っていました。
(説明)
わたしはわたしの影と思われる少女を何とか自分の一部にすることができました。それ以降この夢は見ることがなくなったので、わたしはkiki(キキ)として穏やかな生活を送っています♪
お仕事の日は少女を演じ、お休みの日は魔女を演じるのは大変かと思われますが、慣れればとても楽しいですよ。
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投稿者 kiki : 23:03
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2010年05月18日
菜の花畑
つつじ山公園の手前にある菜の花畑が満開でした。リステル猪苗代のような広さはありませんし、中には入れませんが、それでも一面の黄色いお花は和やかな気分にさせてくれます。
投稿者 kiki : 20:47
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2010年05月17日
メロディーへの想い
連休に行った鎌沼周辺の続きです。
一切経山から下りてくるとすぐ鎌沼ですが、今年はほとんど凍っていました。
木道は次第に雪にうずまっていきます。
いつもの年は一周して蓬莱山迷子コース?を通って帰るのですが、今年は途中まで行って引き返しました。
メロディーが逝って、ちょうど一ヶ月が経ちます。
わたしのこころには容赦なく突風が吹き荒れ、最初は少しだけのこころのひびも次第に大きくなっていきました。
わたしはこれからどうしたらいいのでしょうか。
今まで次第に遠ざかっていたメロディーが再びわたしのすぐそばに感じられるようになりました。
思わず「メロディー」と名前を呼ぶと、わたしのこころの中にかすかなぬくもりが感じられました。
きっとメロディーは遠くに行かないでわたしのこころの中で生きる決心をしてくれたのでしょう。
「たとえいろいろな困難があったとしても二人でいっしょに生きましょうね。メロディーちゃん」
メロディーの面影
異界の生き物
果てのない世界
荒涼としたかの地
ひび割れたこころ
境界の家
(境界の家とはあの世に行くための準備をする家です。写真はあくまでイメージです)
倒れるわたしと影
一縷の望み
(二人で共に)
わたしの見た夢
『境界の家』
わたしおしゃれをするのか大好きなんです。きょうは何を着ようかしらと迷いましたが淡いパステル調の水色のセーターに赤のスカートにしました。自分で言うのも変ですがとってもかわいいんです。赤い口紅を塗るため水色のコンパクトを開いてわたしの顔を映してみました。口紅を唇に注そうとした時、手がすべり口紅がコンパクトについてしまいました。
口紅の赤がコンパクトを染めたとき淡い赤い色がガラス面を薄く包んでいきました。しばらくして赤がコンパクトの水色に次第に変わりました。そして水色が薄くなり中から小さなみずうみが現れました。
手がコンパクトの表面に触りました。するとひとさし指がガラスの中に入っていきます。わたしは思わず指を引っ込めました。しかしコンパクトの水色とわたしの着ている水色と赤のお洋服が激しく反応し混じりあいました。「きゃあ、なんなの、わたしいやよ。誰か助けて」と大きな声で叫びましたが、わたしはそのままコンパクトの中に吸い込まれてしまいました。
うずを巻いたような気流に取り込まれながら体がまっさかさまに落ちていきます。野鳥でしょうか、大きな鳥がこちらを見つめています。「鳥さん、お願い助けて」鳥に声が届いたのでしょうか。そのまま行ってしまうかに思えた鳥が近くにやってきました。大きな鳥でした。わたしは野鳥につかまりゆっくりと地上に降りていきました。降りたところは深い森の中でした。「ありがとう」鳥にお礼を言うと巨大な野鳥は弧を描きながら大空へ飛んで行きました。
森の中はうっそうとしてどこを探しても道らしきものはありませんでした。何度も転びながらわたしは森の中を歩きまわりました。体じゅうどろどろです。どこまで歩いても森の出口は見つかりませんでした。どこからか水の流れる音が聞こえます。音のするほうへ行ってみると湧き水が流れていました。水を口に含ませると全身に再び力がよみがえったような気がしました。
次第に日が暮れてだだでさえ暗い森の中はもう何も見えません。このまま歩いても仕方がないと思い大きな木の下に腰を下ろしたとき木の間からかすかな光が見えました。思わず立ち上がり光に向かって一歩一歩足元を確かめながら歩きました。ほどなく森から抜けましたが光はまだまだ先でした。いや、光に向かって進もうとするとなぜか光が遠ざかっているようにも思えます。
どのくらい歩いたのでしょうか、やっと光が出ているところにたどり着きました。明かりが漏れていたのは小さな古ぼけた家でした。ドアをたたきましたがいつまでたっても誰も出てきません。わたしはそっとドアを開け中に入りました。真っ暗でしたが目が暗さに慣れているのでしょう、手探りで歩くことができました。中は意外に広く廊下の両側に部屋が並んでいました。どの部屋も鍵がかかっているらしく開きませんでした。突き当たりに階段があり、キシキシと音をさせながら登りました。二階も一階と同じように廊下の両側に部屋が並んでいました。目を細めるとかすかに光の漏れる部屋があり、わたしはその部屋に駆け寄りました。ドアのところに名前が書いてありました。最初は何て書いてあるかわかりませんでしたがよく見るとそこにはkikiと書いてありました。
思わず「えっ、kiki、わたしのことなの」と大声を出しそうになりましたがこらえました。そっとドアを開けると古ぼけた部屋の上にランプがありそこから光が漏れていたんです。わたしが部屋に入るとドアが静かに閉まりました。慌ててドアを引っ張りましたがドアはびくともしません。あきらめて部屋を見渡すと真中にテーブルと椅子があり、そのわきにはベッドがありました。
疲れ果てて椅子に腰をおろしてテーブルを見ると表紙にkikiと書いてある分厚い本がありその上にメモがのっていました。
「kikiさん、お疲れ様。ここまではずいぶん長い道のりだったでしょう。でもご安心ください。きょうはゆっくり庭でも散策され、ベッドでゆっくりお休みください。明日ご案内します」
メモの内容はこんな感じでした。「なによ、これ、どうなっているの」わたしは当惑しながら窓から外を眺めました。今まで気がつかなかったのですが外は広い庭があり、部屋から庭へは出られるようになっていました。わたしは外に出てみました。庭は夜だというのに隅々までよく見えました。手入れのよく行き届いた庭でした。
突然人影が近づいてきました。わたしと同じくらいの女の子でした。
「わたしの庭にどうして入れたの、ここわたしだけの庭なのに」
「ごめんなさい、ここあなたのお庭だったのね。わたし森から出てここにまよいこんでしまったの。ここがどこかもわからないの」
「ほんとう」その子は疑い深い目でわたしを見まわしました。
「ここがどんな場所か知らないなんて、信じられないわ。あなたのお名前は」
「kikiよ」わたしは答えました。
ただでさえ青い女の子の顔が真っ青になりました。
「わたしもkikiなの、だからあなたもこの庭に入れたのね。だったら仲良くしましょう。ところであなたは何でこうなったの」
わたしは同じ名前の女の子が質問している意味がわからず当惑していました。
「言いたくないんだったら言わなくもいいのよ、いろいろ事情はあるしね。部屋に入りましょう、寒くなったの」
わたしたちは部屋に入りました。
「しかし変ね。わたし、一人が一部屋だと聞いていたの。でもいいわ、仲間な多いほど心強いものね、あなたの本見てもいい」
わたしは依然としてこの子の言っていることがわかりませんでした。
「本て何のこと」
「とぼけないでよ、あなたの本よ、あなた自身の本のことよ。わたしの本はこれ、見てもいいよ」
その子はさっきテーブルに置いてあった本を指差しました。
本を見てみるとその子の生まれやこれまでのことが詳しく書いてありとてもすぐには読めないほどの分量でした。
「わたし、本はないわ」
その子はびっくりしている様子でした。
「あなた、ここの人ではないのね。どうしてここに迷いこんでしまったの、そうかわたしと間違えられたのね。早くここから出たほうがいいわ、明日にならないうち、いいえいますぐに。誰にも気がつかれないようにそっと」
その子はわたしをドアのところに連れていってドアを開けました。あれほど引っ張っても開かなかったドアが簡単に開きました。わたしがそのことをその子に話すと「この部屋、わたしのだからね」と笑っていました。「わたしあなたと会えて嬉しい、同じ名前の人に会えるなんて思ってもいなかったわ」
わたしは「さよなら」と言いながらその子に握手を求めました。
その子は悲しそうな顔で言いました。「ごめんなさい、握手できないのよ。あなたもいっしょに来てもらうことになるから。わたしの分までがんばってね、さようなら」
その子のすすり泣きが聞こえましたがその子は「ありがとう、ほんとうにありがとう、でも急いでね」
と言ってドアを閉めました。
わたしはその家を出ると誰にも見つからないようにそっと歩きました。わたしには来てはいけない場所だったのです。たぶんあの子はさびしくて同じ名前のわたしを呼んだのでしょう。太陽が昇ってきました。あの家の方角を見ましたが何も見えませんでした。美しい朝焼けでした。
(説明)
この境界の家はあの世への旅立ちの家であると同時に癒しの家でもあります。わたしはこの家の一つの部屋の鍵を持っています。この部屋はわたししか入ることができません。
ある時部屋の外を見るとわたしと同じくらいの年齢の少年が歩いていました。その少年もあしたにはこの家を出て遠い旅立ちをしなくてはいけません。
わたしがこの部屋の鍵を持っているのは、今は秘密にしてくださいね。
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投稿者 kiki : 21:04
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2010年05月16日
つつじ山公園
同じ土湯ということでつつじ山公園に行って来ました。
満開まではあと一週間くらいかかりそうです。
ここも例年よりかなり遅いです。
投稿者 kiki : 16:35
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土湯峠湿原の水芭蕉
水芭蕉を求めて土湯峠湿原に行って来ました。
成育がちょっと遅いようです。
(5月17日追記)
土湯峠湿原にもところどころに雪が残っています。
残雪と水芭蕉を組み合わせてみました。
雪があるところの水芭蕉はまだかわいい感じです。
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投稿者 kiki : 16:25
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2010年05月08日
女の子の沼
女の子の沼(女沼)に行って来ました。
きょうのわたしは新緑に合わせて、白の薄手のブラウス、若草色のセミロングスカート。
つつじ山公園のつつじは少し咲いているかしらと思ったのですが、やはり今年は遅いのでしょうか。
ほとんど咲いていなくてこれからです。
若草の頃
cute lady
あなたへの想い
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投稿者 kiki : 15:55
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2010年05月05日
花ももの里、春の祭典
飯坂の『花ももの里』に行って来ました。
ここでも春の祭典が行われていました。
わたしはバステルカラーの水色ワンピ姿です♪
きょうは子供の日ですね。
シューマン『子供の情景』を聴きながら。
クララ・ハスキルのピアノはやさしく繊細でこころに響きます。
祭典へようこそ
花もものダンサー
バレエ『火の鳥』
『ウェストサイドストーリー』
二人のステップ
秘密の花園
禁断の地
True love
(わたしのあこがれ)
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投稿者 kiki : 14:31
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花見山、春の祭典
春もみじ全景
春もみじ満開の花見山に行って来ました。暑いので半そでの白いブラウスと赤いスカート姿です。これでもとても暑いです。
花見山に着くとそこではダンサーたちが深紅のドレスを身にまとって、春の祭典の真っ盛りでした。
わたしが踊りの輪に入ると、あら不思議、わたしの着衣は透けて真っ赤なドレス姿に変わっていきました。
わたし若さにまかせてみんなと踊りまくりました。青春っていいですね♪
何時間踊ったことでしょう。
「また来年も元気で会おうね」
仲間たちと言葉を交わし、わたしは花見山を後にしました。
いつの間にか真っ赤なドレスは来た時のブラウスとスカートに変わっていました。
「花見山って不思議だわ」そうなんです、花見山は不思議空間なんですよ♪
主役はわたしよ
ダンサー
春の祭典
平和の輪
母と娘たち
クライマックス
おへそ
対話
寄り添う恋人
Zの誓い
(魔女と魔法使いの)
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投稿者 kiki : 13:44
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2010年05月04日
メロディーと歩んだ道
写真は一切経山の五色沼です。今年は雪が多く5月に入っても登山道はふもとから雪で覆われていました。鎌沼から登る一切経山は風が強く吹き飛ばされてしまいそうです。でもいつもの凍りついた五色沼を見ることができました。
メロディーが逝ってきのうがちょうど二週間です。今までは家にいたようですが、いよいよ旅立ちの時が来たようです。
いつも寂しがりやで人に甘えていたメロディーが一人で行けるかどうか心配です。なのでこの世とあの世の境目の『境界』までいっしょに行くことにしました。
六文銭を渡しメロディーは『境界』を超えていきました。これからも『永遠の地』までは長く歩かなくてはいけません。
ここから先はわたしは助けることができません。でもきっと人なつこいメロディーのことですから、きっと優しい方に助けられて無事たどり着くことができるでしょう。
イメージは一切経山、鎌沼周辺を使用しています。
メロディーの肖像
いのち尽きる時
生と死の接点
倒れた墓標
土に還る
境界
遠き道
永遠の地
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投稿者 kiki : 07:38
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2010年05月03日
仁田沼、哀しみの水芭蕉
土湯峠湿原の帰りに仁田沼に行って来ました。さすがにゴールデンウィークなのでたくさんのハイカーが訪れていました。水芭蕉はちょうど見頃でした。
土湯峠湿原での影響からか『生と再生』がテーマになってしまいました。
メロディーちゃん16才5ヶ月いっしょに暮らしてありがとう。最後の日が近づき桜に雪を降らせてくれたんだね。こんなにたくさんの仲間がいるからきっと寂しくないですよ。少し休んだら今度は人間に生まれ変わってきてね。しばらくの間さようなら。メロディーこと EllCY OF YUYASU GARDEN へ
初老を迎え
若き日の思い出
告別
未知の世界への旅立ち
神の力
静かな時間
帰還
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投稿者 kiki : 18:47
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2010年05月02日
土湯峠湿原、いのちの再生
いのちの再生が知りたくて土湯峠湿原に行って来ました。
生物はいのちの時間があらかじめ決まっていて、その時間が過ぎると、この世からあの世へ旅立たなければなりません。
でもいのちそのものは消滅しないで、形のないまま生き続け、時が満ちるとこの世へ再び戻って来ることができます。
この小さな土湯峠湿原でも水芭蕉さんのいのちの再生が行われていました。
天国の日々
来世へのあこがれ
再生の光
いのちの受精
雌雄の決定
(動物等の場合です。通常♀は♀に、♂は♂に)
いのちの誕生
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投稿者 kiki : 17:25
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