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2010年05月23日
2010年05月23日
水原のクマガイソウ
水原のクマガイソウ群生地は例年より遅くちょうど見頃でした。
まるで人の顔みたいなクマガイソウがほぼ等間隔で咲いていました。
クマガイソウさんの世界でも均一化、標準化が進んでいるのでしょうか。
でもよく見ると持つ物と持たざる物の格差があるように感じられます。
クマガイソウを撮影する場所は狭くカメラマンでいっぱいでした。
今でも人見知りをするわたしは人がたくさんいる場所での撮影は苦手です。
「やはりわたし大人になっていないんだわ」
とクリンソウさんとなぐさめ合いました。
陽の当たる人、影の人
(わたしは多分陽があたらない方よ)
少女A
(わたしと同じね)
小さな曼荼羅
(最初は小さく少なくてもみんなが集まればやがて立派な曼荼羅になるわ)
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投稿者 kiki : 11:29
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わたしの若草物語
『若草物語』は何回も映画化されていますが、1933年製作 ジョージ・キューカー監督 キャサリン・ヘップバーン主演(ジョー役)をベストにあげたいです。
モノクロなんですが、さすがキャサリン・ヘップバーンは違います。
この映画のDVDを見た夜のことでした。
わたしの見た夢 4
『わたしの若草物語』
ふと通りかかった映画館で『若草物語』の映画が上映されていました。わたし小さい時から『若草物語』が大好きなんです。でも自分の中にある原作の雰囲気が壊れることを恐れてこれまで小説を映画にしたものはあまり見なかったのですが、せっかくですので見ることにしました。
映画館の中はかなり混んでいましたが、幸いにもちょうど真中ぐらいの席に座ることができました。上映を知らせるブザーが鳴り館内は次第に暗くなっていきました。
幕が静かに開きいよいよ上映です。
物語が進みスクリーンの中に馬車に乗った姉妹が現れました。わたしはお気に入りのジョーを探しました。ジョーはすぐに見つかりましたが何かがおかしいことに気づきました。四人の姉妹がいるはずなんですが三人しかいないんです。最初のシーンでは四人いたはずなんですが。メグとベスもいました。いないのは末っ子のエイミー、そうですエイミーの姿が見えないのです。
「どこにいるのかしら」わたしはスクリーン中を探しましたがどこにもいませんでした。音楽がしだいにゆっくりになり、それとともに登場人物の動きもまるでスローモーションでも見ているようにゆっくりになりました。
スクリーンの中のメグの目がわたしの目に合いました。何か驚いているようでした。メグがジョーとベスに何かささやきました。三人がゆっくりとわたしの方を見ます。視線が合いました。
「エイミー、何しているの、遅れるわよ、早くいらっしゃい」
まるで映画の登場人物がわたしに話しかけているようです。
「エイミー、まったくしょうがないんだから、早く早く」
まわりの観客の目がわたしに注がれました。呼ばれているのはわたしのようです。でもなぜわたしが呼ばれるのでしょう。突然、わたしの中に何かなつかしさが込み上げてきました。
「みんな、待って。すぐ行くわ」わたしはスクリーンに向かって走り出しました。スクリーンの中のメグがわたしに手を伸ばしてくれました。わたしはスクリーンの中に入り馬車の上に飛び乗りました。「まったくおてんばなんだからエイミーは」とジョーの声がしました。
「ごめんね、遅くなって」わたしはみんなに謝りました。
馬車が家の前で止まりました。突然あたりが暗くなりました。気がついてみるとわたしがいるのは映画館ではなく小さな舞台の上でした。舞台の上にはわたし一人しかいませんでした。観客がわたしをじっと見つめています。観客の中にわたしの三人の姉、メグ、ジョー、ベスもいました。「メグ、ジョー、ベスどうなっているの」わたしは叫びましたが三人ともわたしの方をじっと見ているばかりで何も答えてくれません。
観客の視線が次第に厳しくなっていきました。わたしは舞台にいる以上演じなければいけないのに気がつきました。演じることができなければ舞台を去らなければならないのです。
「わたし、何を演じればいいの」わたしは小さな声で尋ねました。観客からは何の反応もありません。ざわめきが大きくなりました。「ああそうなんだわ、わたしはエイミーを演じればいいのね」
そのとき以来わたしエイミーを演じ続けています。舞台から観客がいなくなってもわたしエイミーのままです。もう以前のわたしには戻れないかもしれません。でもわたし悲しくなんかありません。三人のおねえさんたちが時々わたしのお部屋に遊びに来てくれるんですもの。わたしたちとてもなかよしなんです。
(説明)
わたしが平日お仕事の時演じている少女は実務をきちんとこなしていく『エイミー』なのかもしれません。お家に帰るとkiki(キキ)に戻ります。
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投稿者 kiki : 11:03
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虹を探して
晴れた日に滝に行くとよくきれいな虹が出ていますね。
虹にはしあわせがありそうな気がして、近づこうとしますが、虹は遠くに行ってしまいます。そんな時に見た夢です。
わたしの見た夢 3
『虹をさがして』
かなり前のことでよく思い出せないのですがわたしはある渓流を一人だけで歩いていました。まわりは霧に覆われここがどこだか、どうしてここに来てしまったのか全然わかりません。大声で助けを呼びましたが鳥の声すらも聞こえませんでした。戻ろうと思ったちょうどその時です。霧の中から滝が見えました。滝には美しい虹がかかっていました。
漆黒に暗く落ち込んでいる滝にかかる虹のあまりの美しさにそっと虹に近寄ろうとしました。普通でしたら虹は逃げて行きますね。でも、そのときは虹は近づけば近づくほど輝きを増してきました。
空が暗くなり稲光が天空を走り大きな雨粒が渓谷に降り注ぎました。あたりは真っ暗です。でも、虹はちゃんと目の前にありました。虹に手をかざすと虹の七色の光が手に飛び込んできます。
「虹さん、どうしてきょうは逃げないの、不思議ね」
「あなたを待っていたのですよ」
どこからともなく不気味な声が聞こえ、それとともに体の自由がきかずまるで金縛りにあったかのようです。
「こちらにおいで、怖がらなくでもいいのだよ」
いやおうもなく虹の中心部に体が引き寄せられていきました。頭上からは滝からの水が情け容赦なく降り注いできます。
虹の中に何人かの人影が見え、手招きをしていました。
「行ってはいけないわ」
そう思いながらも自分の意志とは逆に滝の中心部に引き寄せられて行きます。激しく降り注ぐ滝の水から垣間見る人影はおぼろげでしたが、よく見るとまるで滝に打たれている修験者のようでもありました。
体がさらに虹の中心部へと吸い込まれると今まで降り注いでいた滝の水が突然止まり、かわりに四方八方から輝くばかりの光に包まれました。そして体が重力を失ったかのように浮かび上がり、眼下の人影も小さくなっていきました。
意識が朦朧としてきます。突然体がまるでジェットコースターのように急降下していきます。
「滝壷に落ちたのね。もう助からないのね」
一人つぶやくとまたどこからか声がしました。
「人は生き、そして死ぬ。昔からのさだめよ」
「そんなのいや、まだ生きたいのよ」
「生に執着するものは……」
「なあに」
「生に執着するものには死が訪れ、死に執着するものにも死が訪れる、何にも執着しないものだけが生を得る。しかし、それも仮の生、一時だけの生」
「変なこといわないでわたしを帰して、お願い」
目に涙があふれ出てほほを伝わりこの世の終わりのような漆黒の世界に流れ落ちました。
先ほどの修験者と思われる人たちがおもむろに近づいてきてわたしのほほを触りました。その人たちの顔をよく見るとのっぺらぼうでした。
わたしは思わず叫び声をあげました。
「怖がらなくてもよい。この者たちはこの世のものではない。この者たちの仮面はわたしが預かっている」
わたしは下を見ました。水に映ったわたしの顔がわたしにほほえんでいました。
「あなたの仮面をもらうのはこの次にしよう。安心するがよい」
「なぜ、わたしはこんな目に会わなければいけないの。わたしがいったい何をしたっていうの」
「お嬢さん、あなたは何もしていない。でもそれは何の理由にもならない」
「ひどいわ、そんなことってあって。あなたのかってじゃない」
「あなたのいのちはわたしが握っていることを忘れるな、わたしを怒らすと」
「どうっていうの。あなたはいずれにせよわたしを殺すつもりなのよ」
わたしの顔に激痛が走りました。まるで顔を剥かれているような。いや、そのとおりだったのです。水面に映るわたしの顔が次第に消えていきのっぺらぼうになっていったのです。
わたしという存在はそのとき無くなりました。正確にはわたしという仮の存在が自然と同化されたとも言うべきでしょうか。わたしはわたしではなくなりました。でもそのことに苦痛とか恐怖といったものは伴わなかったのです。まったく不思議な状態でした。わたしはわたしから解放され宇宙のすべての要素の一つになったのです。その意味ではわたしは原存在としてわたしというものの永続性を保っていたのかもしれません。
死んでしまったという実感も感情も何一つありませんでした。自分の死体がこの滝壷に沈んでいることも、何日かして捜索隊がわたしではないわたしを発見したとしても。
気がついたときわたしは病院のペッドにいました。家族の顔が心配そうにわたしをのぞきこんでいました。
「鏡を持ってきて、お願い」
母が不思議そうな顔をして鏡を持ってきました。
わたしは鏡を受け取ると自分の顔を鏡に映しました。
鏡の中にはやつれたわたしの顔が映っていました。鏡に一瞬あのときの風景が映りました。
「本当にあったことなんだわ」
母がわたしの顔を心配そうにのぞきこみました。
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投稿者 kiki : 10:16
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