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2010年05月21日
2010年05月21日
わたしと影
『境界の家』のご感想をいただいて、もう一人のkikiちゃんはわたしの『影』である可能性があることに気づきました。
『影』はそのままにしておくと危険です。『影』はわたしのこころの中に統合しておく必要があります。
まして『影』を『境界の家』から出して別世界へ旅立たせることは、とんでもないことです。
『影』とは今まで生きてこなかったもう一人の自分のことです。その人の意識が抑圧したり、十分に発達していなかったもので、マイナス的な側面が強いです。
影は通常同姓です。わたしは女性なのでわたしの影も女性です。
わたしの見た夢 2
『わたしと影』
ある天気のよい日わたしはお家の近くを散歩していました。健康のため毎日三十分くらい散歩をしているのですが、最近ずっと雨が降っていたため久しぶりです。さわやかな太陽の光がわたしをやさしく包み込み、とってもいい気持ちでした。
しばらく歩いてわたし疲れてちょっと立ち止まったんです。するとうしろから変な声が聞こえてきました。
「お嬢さん、待ってたよ」
「誰、わたしをよんだのは」
振り向きましたが誰もいませんでした。
「まっすぐ見てごらん。ほらあそこに高いビルがあるだろ、あそこに行くんだ」
「いやよ。なんでわたしあなたの言いなりにならなくてはいけないの」わたしは抵抗しましたがまるで魔法でもかけられたかのように体が勝手にビルに向かって歩き出しました。
「よしよし、その調子だ」
もう一度わたしはすばやく振り向きました。目に映るのは自分の黒い影だけでした。誰もいません。
「なかなかいい娘だね、もうちょっとだよ」
また、声がします。しわがれたおばあさんみたいな声でした。
立ち止まろうとしたんですが自動人形のように自分の体が勝手に動いてしまうんです。
声は後ろからします。わたし今度はゆっくりと振り向きました。やはり自分の影だけです。
その時わたしは確かに見ました。影は二つあったのです。一つは間違いなくわたしの影でしたがもう一つは別な人の影です。いえいえ、二つの影は一つになったり二つに分かれたりしています。影がもう一つの影に命令しているようにもみえました。
ビルはもうすぐ目の前です。
「よしよし、お嬢さん、そのビルに入いるんだ」
わたしはその通りにしました。というよりわたしの手はまるで別の人の手のように自分の意志とは関係なくビルのドアを開けていました。
「右を見なさいエレベーターがあるじゃろ。そのエレベーターに乗りなさい」
「いやです」わたしははっきりと言いました。わたしはビルの中では影の力が弱くなっていると思ったからです。自由になったわたしはビルの出口に向かって走りました。
「なにお、小娘が」
目の前で閃光が走りわたしの後ろに黒々とした二つの影が復活するのがわかりました。わたしは力なくエレベーターの中に入りました。わたしのほかには誰もいませんでした。
「十三階のボタンを押しなさい」影がわたしに命じました。
エレベーターには十二階までしかボタンがありませんでした。わたしの手は勝手に動き十二階の少し上の部分をこすりました。すると血のような真っ赤な十三階という文字が現れました。
「押してはいけない」わたしは必死に抵抗しましたが、わたしはわたしに負けました。その時わかったのです。もう一つの影もわたしの影であるということを。わたしはもう一人のわたしに支配されつつその快感に酔っていたのでした。今、考えると恐ろしいことです。わたしとわたしはもはや分けれられず同一となりわたしたちは十三階のボタンを押しました。
もし別の人がわたしの顔を見たとしたらわたしの顔からは悪魔の笑いが漂っていたことでしょう。
エレベーターはゆっくりと登っていきました。わたしは誰かが途中の階でボタンを押してエレベーターを止めてくれることを必死に願いながら、同時に誰もエレベーターを止めないようにと願いました。
わたしの願いは退けられそして許されました。十二階を過ぎると突然エレベーターはガターンと大きな音とともにゆれました。わたしはエレベーターの底にたたきつけられました。エレベーターは斜め上に向かって進んでいるような感じでした。わたしはそのまま気を失ってしまいました。
気がついてみるとエレベーターに十四階のランプが点きドアが開きました。わたしが押したはずの十三階のボタンはエレベーターにはありませんでした。わたしはエレベーターのドアから外に出ました。
そこは広々とした草原が広がっていました。少し歩くと小さな湖がありました。透き通った美しい湖でした。わたしは二つの影が映るかも知れないという恐怖にかられながらも湖にわたしの姿を映してみました。やはりゆらゆらと湖に映るわたしの影は最初は二つに見えたような気もします。かすかに湖に風が吹き波が走りました。わたしの長い髪もたなびきました。わたしは怖くて自分の姿を映すのはやめようかと弱気になりましたが、意を決してゆっくり「湖さん、ね、お願い」と、つぶやきながらわが身を湖に映しました。湖に映るわたしの姿は一つでした。わたしは安心してそのまま眠ってしまいました。気がついたらわたしはお家の玄関に立っていました。
(説明)
わたしはわたしの影と思われる少女を何とか自分の一部にすることができました。それ以降この夢は見ることがなくなったので、わたしはkiki(キキ)として穏やかな生活を送っています♪
お仕事の日は少女を演じ、お休みの日は魔女を演じるのは大変かと思われますが、慣れればとても楽しいですよ。
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投稿者 kiki : 23:03
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