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2005年10月02日

最後の光

 前回の続きです。薄暗い森の中を歩いていくとかすかに光っているものに取り囲まれました。ここから先にはどうしても進むことができません。
「あなたたち誰なの、わたしをどうするつもりなの」
 光るものからかすかな声が聞こえます。
「わたし以前はとてもきれいなお花だったの。でも今では誰にも見向きもされなくなってしまった。どうしてかしら」
「えっ、あなたはお花だったのね。でもこの光は何なの」とkiki。
「わたしたちの最後の光よ」
「わたし恐いわ。最後の光って何なの」
 少しの間沈黙が続き光はしだいに弱くなっていきました。
 kikiにはこのお花が何のお花だったのかわかるような気がします。どんなに美しいものでも時間がたてば輝きを失い老いてしまいます。最後の光というのも何かわかるような気がします。
「kikiもそうなるのかしら、いやだわ」
「いいえ、美しく老いていく方法はあります。このお花もほとんどの人は今では見向きもしませんがずっと注目してくれる人はいますよ。そして何年か先にはまた美しく再生するのよ。だからお嬢さん、安心してね」
 森の奥から若い女の人の声が聞こえます。きっとこの森を守る妖精さんなのでしょう。
「ああ、そうなんだわ。ありがとう」わたしkikiの顔に笑顔が戻りました。
 太陽の光が差し込んで森の中が明るくなり、光っているものたちはどこかに消えてしまいました。わたしはふたたびあてもなく森を歩きはじめました。

投稿者 kiki : 2005年10月02日 10:01

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コメント

めざましTVを毎朝見ています
めざまし土曜日のテーマソングをゆずが担当することになって、めざましTVといったら太陽をイメージするので太陽の国・スペインへ旅をして曲を作るという企画コーナーがあり、瞬きもしないくらいに注目して見てました(^^;
スペインのアンダルシア地方はひまわり畑が有名なんだそうです
2人は乾いた広大な地に元気に咲く黄色のひまわりが見たかったようですが訪れた時期が遅く、そこには茶色のひまわりばかりでした
太陽=ひまわりというイメージを持っていたらしく残念そうな2人でした
私はあの真っ青な空の下で茶色に変化しても直立不動でみんな同じ方向を見ている姿を見て泣きたいぐらい感動しました、日本ではなかなか見られない風景で自然の中でまた来年のお花へバトンを渡すために実る強い生命力を感じたからです
輝くことを忘れなければきっと誰かは見ていてくれますよね…。

投稿者 ステラ : 2005年10月03日 11:58

ステラさん、ありがとうございます。
めざましTVっておもしろい企画やっているのですね。
確かに一面に咲く黄色いひまわりは明るい太陽のイメージです。
茶色のひまわり畑は残念でしたが、来年へ向けていのちを引き継ぐ大切な役目を担っていると思います。kikiも見たかったです。
土曜日に鎌沼に行ったら茶色に変色したコバイケイソウがまだ残っていました。
ここは雨の日などはかなり厳しい気象条件になることでしょう。
枯れてしまってもうないと思っていたコバイケイソウを見つけて、kikiも生命の力強さを感じました。
紅葉も葉っぱの最後の輝きです。今年もいろんな出会いがあることを期待しながらそのことを大切にしたいと思っています。

投稿者 kiki : 2005年10月03日 20:32

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