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2006年02月04日

2006年02月04日

達沢不動滝と少女

 冬の達沢不動滝の男滝は、滝のいたるところに氷の造形や大きなつららがあって独特の雰囲気です。
 
 滝の右側の高いところに上っていろいろな氷の造形を撮影しているとkikiを呼ぶ声が聞こえました。森の妖精さんとおともだちのkikiはいろいろなところで声をかけられるので「きょうはいったい誰かしら」と声をするほうを見ました。
「わたし妖精さんではないけどあなたのおともだちよ」
 手が長く足が短いのですぐにはわかりませんでしたが、長いつららの一番右に一人の少女が立っていました。
「まあ、あなたなのね。寒くないの」kikiが声をかけると、少女は答えました。
「寒くはないわ。わたし王女さまなの。シベリアから白鳥さんに乗ってきたのに白鳥さんわたしをここに置き去りにしてどこかに行ってしまったの」
「まあ、かわいそうに。白鳥さんはどこへ行ってしまったのかしら」

 ここまでお話をしてkikiはその白鳥さんをどこかで見たことがあるような気がしました。
「そうだわ。その白鳥さんは……」
 この前、湯川渓谷に行った時、渓流の中で疲れきって休んでいる白鳥さんのことが思い浮かんだのです。
「大丈夫よ、白鳥さんはまもなくあなたを迎えに来るわ」
「ほんとうなの」
「ほんとうよ、さあ、こっちに来て待ちましょうね」

 しばらくして羽ばたきの音がしたと思うと天空から一羽の大きな白鳥さんが舞い降りてきました。
「やはりあの時の白鳥さんなのね」
 少女は白鳥さんに乗ると天高く飛んで行きました。
「ありがとう、kikiちゃん。来年またお会いしましょうね」
「ええ、来年もわたしここにくるわ。それまで元気でね」
 kikiが手を振ると少女も手を振って答えました。

投稿者 kiki : 21:34 | コメント (2) | トラックバック (0)