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2010年07月04日
2010年07月04日
夏至祭の夜に
夜に輝く花
先月の夏至の時のおはなしです。
乙女の枕の下に夏至祭の前夜に野で摘んだ七種類のお花を入れて眠ると、乙女の願いがかなうそうです。
でもわたしは夏至祭の前夜、野でお花を摘んでいませんでした。
妖精さん、わたしはどうしたらいいのでしょうか。
「あなたがお花になればいいのよ」
窓から外を見るとなかよしの妖精さんがいました。
「ああ、そうなんだわ。でもあたしなれるかしら」
「大丈夫よ。野で見つけた素敵なワンピをあなたにあげるわ」
わたしは妖精さんから宝石のように輝く純白のワンピをもらって着てみました。
「まあ、かわいい。あたし気に入ったわ」
わたしは簡単なお化粧をして鏡の前に立ちました。鏡には純白のワンピ姿のわたしが映っています。わたしはすばやく鏡の中のわたしに手を差し伸べ、鏡の中から引っ張り出しました。
小人のように小さなわたしですがいのちがあります。
わたしは枕の近くに小さなわたしを座らせました。
わたしがお布団の中に入ると小さなわたしも入ってきました。ほんとうは小さなわたしは枕の下に入れればいいのでしょうが、そんなことをしたら息ができなくてかわいそうです。
わたしはだんだん眠くなりましたが、どこからか教会の鐘の音が聞こえてきました。聖なる結婚式では乙女は変化していきます。
お相手はナイトさまでしょうか。
いいえ、そうではありません。お相手は誰にも見えない方でした。わたしは大人の女性に変わっていきました。
朝起きた時、小さなわたしを探しましたがどこにもいませんでした。わたしは乙女のままで何も変化はありませんでした。
わたしにはまだ時期が早かったようです。幼い面影を残した少女のままでいたいという強い想いがあったのかもしれません。
時期が来ればわたしはきっと幼いこころを持った少女のまま素敵な大人の女性になれるでしょう。
女神さまもわたしにはきっとそれを望んでいることと思います。
きのうの「ほんとうのわたし」はこの夢を見て気づいたことでもあります。
聖なる夜に
白いワンピ姿のあたし
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投稿者 kiki : 20:03
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