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2005年05月22日
5月の花嫁
リステル猪苗代に行ったら菜の花が満開でした。菜の花畑に入ってみるとちょっと困った顔をした菜の花さんがいました。
「まあ、いったいどうしたの、何があったの」
「あの、あたし……。きゃあ、恥ずかしくて言えないわ」
黄色い菜の花さんの顔がますます黄色くなりました。
「そう、それなら無理しなくてもいいのよ」とわたし。
ちょっと冷たい風が吹いてきました。菜の花さんも少し落ち着いたのでしょうか。小さな声でわたしに話し始めました。
「いいえ、聞いて。あたし今プロポーズされちゃったの」
「まあ、素敵ね。あたしもこんなところでされたいわ。それでどうしたの」
「まだ、お返事していないの。いつでもいいって言ってくれたの。好きなんだけど恥ずかしくてどうしても言えないわ」
「好きならお返事したら、チャンスはあまりないものよ」
「もう少し考えてからにしたいの」
「がんばって、幸せきっとつかんでね」
わたしはそっと菜の花畑をあとにしました。どうしてですかって。だって幸せは自分でつかまえるものですもの。
あの菜の花さんのことが気になってわたしもう一度菜の花畑に行きました。そうしたらあれほど綺麗に咲いていた菜の花畑はもう枯れてしまっていました。
「あの子、どうしたのかしら」と心配すると近くから厳かな音楽が流れてきます。振り返ってみると、まあ素敵、あの菜の花さん純白のウェディングドレスを着て彼といっしょにならんでいました。
わたしが手をふると菜の花さんも恥ずかしそうに手をふって応えてくれました。雨が静かに降ってきました。すると枯れていたはずの菜の花畑のお花が静かに起き上がり前に来た時のように綺麗に咲きはじめました。きっと彼女たちも心からの祝福を送りたかったのでしょう。
6月もいいですけど5月の花嫁もロマンチックでいいですね♪
投稿者 kiki : 13:09 | コメント (4) | トラックバック (1)